かっぱちゃんの耳

感覚過敏やらADHDの診断をもらった大学生が、特別支援学級の先生になりました。

11月25日 思い出すのに忙しい、ってないんですか

歩いているとき、いろいろなことを思い出します。

f:id:yukana777:20181128000818j:plain

 あ。あのお店の名前、去年の旅行先でいっぱい見たチェーン店のとそっくり。あのとき、「このへんじゃ腐るほどあるんだよ」って案内してくれた人が言ってたっけ。暑かったな。
あ。この匂い、△△ちゃん(中学のときの友達)と一緒だ。ピンクのパーカーの匂いだ。
あ。次どこ曲がるんだっけ。そうだ、今は家に帰ってるんだった。きみどり色の横浜線に乗り換えるんだった。
あ。あのきみどり色なんだっけ。そうだ、メロン組(保育園のときの組)の帽子のきみどり色と近い。あごのゴムがしょっぱかったな。
あ。「2限が」だって。私今日の2限目なんだっけ。あの人も大学生かな。もしかして同じ大学かな。2限目思い出せないな、なんだっけ、なんだっけ。

 

毎日通っている通学路でも、飽きないです。
前を見て歩いていると、思い出すことがいっぱいあって忙しいのです。

思い出すことの9割は、そのモノを見ていつも思い出すことです。
同じような風景、匂い、音。
毎日、同じように思い出して、同じように「あ。」とやっています。慣れても慣れても、やっぱり頭に浮かんできます。

 

みんな、そうなんだと思っていました。

とくに駅なんか、人や音がたくさん入れ違って忙しいところは、「あ。あれなんだっけ」って忙しくなります。歩いているとますます。猛スピードで頭のなかの書庫が引っ掻き回されます。

だからみんな、スマホを見ながら歩いたり、音楽を聞いたり、もしくはぼうっとした目をしているんだと思っていました。みんな、頭のなかが思い出すのに忙しくならないように、うまいことやっているんだと。それが普通だと思っていました。

 

どうもそうじゃないらしい。

気づいたのは最近です。

どうも他の人の多くは、ずっと何かを思い出したり、想像したりしながら歩いているわけじゃないみたい。「なんだっけ、なんだっけ、」がどんどんふくらんで、おぼれそうになったりしないみたい。単に私が「妄想癖がすごいかっぱちゃん」だからじゃないみたい。

 

 

学校の先生を目指して、大学に入りました。
そこで、特別支援教育の勉強をしはじめて、2年と少し。

先生になったら、クラスで「困っている子」にちゃんと気づいてあげたい。そのために、”そういう”子どもたちのことをもっと知りたい。

そんな思いで、勉強していて。

 

自分もちょっとだけ、「困っている子」だったのかもしれないって、最近やっと思えるようになりました。ちょっとだけ、みとめられるようになりました。

今まで大学の友人や教授から言われても「いやいや、それは知識がありすぎるから何でもそう思えるだけでしょ」「誰だって困ってることや苦手はあるでしょ」って受け流してたけど、…このへんはまた、別のときにまとめて書くとして。

 

 

とにかく、メモを残そうと思ったのです。

 

自分が、どんなふうに感じていたのか。困っていたのか。

いま、どんなふうに感じているのか。困っているのか。

 

もっと大きくなったら、忘れちゃうかもしれないし。いつか先生になったり、母親になったりしたときに、忘れていたくないなと思ったので。

だから、時間のあるときに、いそがしい頭の中をメモします。