12月16日 ちゃんとしないって難しい
こないだの、大きめのパニックになった夜。
過呼吸が落ち着いたところで、私はそのまま寝落ちてしまいました。…アラームもかけずに。
で、翌朝。目を開けると、やけにカーテンが明るい。
直感で寝坊を確信するとはこのことかと。
時計を見れば、1時間目の始まる時刻でした。5分後に出ても、2時間目開始に間に合うかといったところです。
私の人生においておそらく初の、寝坊による欠席……なんという失態。なんという恥。
夜8時前には眠りについただろうはずなので、13時間近く眠り続けていたことになります。風邪でもないのにこんなに長く寝続けたことも、覚えている限り初めてです。
2時間目にはなんとか間に合いましたが…無断欠席だなんて情けない。
帰宅した父上にも、しこたま怒られてしまいました。翌日帰省したら、祖母にも母にも叱られて、2日経った今日もちょくちょく蒸し返されています。反省してるんだけどな、うう。
朝からパニックで、すごく疲れて余裕がなかったのだと説明はしました。
けど、
「それはあくまで間接的な理由であって『目覚まし時計をかけないで布団に入ってしまった』という直接的な原因とは関係がないだろ」
と父上。ごもっとも…。
そんな自己嫌悪と家族の愚痴を、またひらすらに聞いてくれる友人。いつもいつもほんとにありがたいです。
そうして、しーちゃんは急にお話をしはじめました。
まわりの友達は、○○ちゃんはしっかりと取り組んでて偉いねえといいます。
でもその子はそれを別に特別なことだとは思ってません。
だって宿題を出すことは当たり前だし、予定を立てるのはそうしないと落ち着かないからです。だから、えらいねと言われたらむしろ不思議なきもちになります。
さて、ある日かっぱ先生はその子が落ち込んでいることに気づきました。気になったかっぱ先生は、どうしたの、と声をかけてみました。
するとその子はいいました。
「あのね、このまえね、すっごく疲れてて、いつのまにか寝ちゃったの最近、なぜか気持ちが落ち着かないことが多くて、自分でもわかんないけど、なんだか私、疲れてるらしいんです。お友だちにも大丈夫?て言われることが多くて。
その日はとくにもう、いつ寝たかもわからないくらい、疲れてたんです。でも、最近いろんなことが頭に浮かんで来て、あまり寝られなかったけど、その日はぐっすり、ながーく寝られたの。
でも、それで学校遅刻しちゃって、お父さんにもお母さんにもおばあちゃんにも怒られちゃった。
だから、もっとしっかりしなきゃって思ったんです。疲れてても、よくわからないことが多くても、私はちゃんとやらなきゃダメなんです」
明らかに私を示した例え話だとわかっても、なんでそんな話をされているのか、友人が私に何を言いたいのかはわかりませんでした。
よくわかんないなーと思いながら、とりあえず何かのお話を聞いているのは好きなので、黙って聞いている。
かっぱ先生は、その子がふだん、身の回りのことに一生懸命に取り組んでることを知っています。
その子がどうして疲れているか、かっぱ先生にはわかりません。でも、いつも、はい、はい、はいとすぐに問題が解けるその子が、どうしたらいいんだろう…と悩んでるのは知っています。
かっぱ先生は、なんだか困ってしまいました。
かっぱ先生にわかるのは、その子がいっぱいいっぱいなんだなあということだけです。
いっぱいいっぱいの中でも、悪かった点をみなおして、反省しています。
うーん、そういうときもあるよ、気にしなくていいよ。
そんなことを言ったらその子は、
「私が疲れてることと、しないといけないことをするのは別の話なんです。」
と言うのをかっぱ先生は知っています。
たしかに、そのとおりかもしれません。でも…
その子が悩んで、疲れてるのも、ほんとなんです。
かっぱ先生は、やっぱり困ってしまいました。
話を聞き終わっても、友人の言いたいことは、わかる気がするようなわからないような、うーんやっぱりわかんない、というかんじでした。
「疲れているということと、しなきゃいけないことをするというのは別の話」よく私が言うことばの、どこがおかしいのかぜんぜんわからないのです。しーちゃんはどこに引っかかってるんだろう、やっぱりちょっと甘いんじゃない、って。
だって、しなくちゃいけないことはしなくちゃいけないし、みんなしてるのです。前の日疲れてたって、みんな毎日遅刻しないで大学に行ってる。親もほかの人たちも、会社に行きたくない日だって、がんばって行って仕事してる。
当たり前のことなのに。
で、1日経ちまして。
ちょっとだけ、しーちゃんの言いたかったことがわかってきたような気がする。たぶん。
なので、今の時点での思ったことメモ。
昨日は、「なんだ、私の話か」ってすぐに思ってしまって、なかなか例え話の中に入り込んで聞けなかったけれど。
今は、ちゃんとイメージできます。
私が先生になっているとき、家庭教師先の子がそんなふうにいっぱいいっぱいになって、すべきことを完璧にできなかったと落ち込んでいたら…
私はたしかに、
うーん、そういうときもあるよ、そんなに気にしなくていいよ
って言うと思うのです。
「当たり前のことを当たり前にやることって、意外とそれ、ぜんぶ完璧にやらなくちゃいけないってことなんだよ。お父さんも学校の先生も、『当たり前のことをちゃんとやりなさい』っていつも言うかもしれないけど、けっこう大変で、むずかしいことなんだよ。
できたら、すごい。
でも、ぜったいできなくちゃいけない、っていうことじゃないと思うよ。
お父さんも先生も、うっかり忘れ物すること、あるよ。言ったとおりにできないこともあるよ。
でも、それでいいんだよ。
ちゃんとしなくちゃいけない場面だってもちろんあるけど、ずーーーっとじゃない。
完璧にやらなきゃ、ちゃんとしなきゃって思うのは、大事なことだけど、毎日それを頭の上にのっけといたら、自分がぎゅうぎゅうになっちゃう。
人にも「ちゃんとして!」って思うから、ほかの人もぎゅうぎゅうにしちゃうかもしれないし、それでほかの人も「じゃああなたもちゃんとして?」って思う。お互いどんどん窮屈になっちゃう。
ずっとちゃんとしなくていいよ、疲れたら休んでいいよって、自分にも人にも言ってあげられる人になってね」
って、言いたいなと思うのです。
そういうこと、なのかなあ。
ちょっとだけわかった気がする…たぶん。
でも、自分ができるかどうかは、また別の問題なのです。