かっぱちゃんの耳

感覚過敏やらADHDの診断をもらった大学生が、特別支援学級の先生になりました。

1月5日 自分に甘く?

同じくスウェーデンに留学予定ということで話すようになった大学院生の知人のブログで、ぽちょんと胸にしみるところがあったのでメモ。

 

自分のことを大切にできるようになれば、きっと周りの人のことももっと大切にできるようになる。

自分の痛みを大事にして、他人の痛みに寄り添える人になりたい

呪いを解きたい - 三日坊主の三年日記

ことばとしては、言ってしまえばありきたりで、世で手垢のつきすぎた表現ではあるのです。本で見たら「あーそれねー、ほんとそうよねーハイハイ」ってついついさらっと読み過ごしてしまいそうな。

 

でも、それが顔も声も知っている知人の言葉になったとたん、急にそれが色をもって、意味をもって、沁みてくるから不思議なものです。

実感が湧く?説得力が出る?身近になる?うーん、言い方が難しいのですけど。

 

とにかく、一滴、しみいったのです。最近のガサガサ荒み気味だった私に。

だから、メモ。 

 

 

 

 

正月は、寝正月でした。

 

日が高くなるまで寝て、朝昼ごはんを食べて、こたつでゴロゴロして、少し学校の課題をして、こたつでゴロゴロして、妹の勉強をちょこっと見て、昼寝をして、お母さんとおばあちゃんのごちそうを食べて、またこたつでグーダグダ。 

人ごみや外出も、ほんとうに楽しみな同窓会や近しい親戚との集まりを除いて、とことん避けてしまいました。行ったら行ったで、とっても楽しいんですけどね。薬の力も借りながらだけど、うまいこと付き合っているということで。

 

活発で、忙しくしていないと気が済まない性格な以前の私だったらびっくりします。見事なニート生活です。

 

 

そんな年末年始なので、当然ながら母には小言を言われてばかりでした。

「そんなに暇なら、さっさと自動車学校に行けばいいのに」は、ほぼ毎日。

「ぜんぜん、あなた辛そうなとこ見ないけど。家で寝てばっかりだし」は、昨日言われてちょっと苦しかった一言。

だから、なんだか母から逃げてしまうのです。

父上の理解はどうやら少しずつ得られてきたみたい。とは思いつつ、いつ話をもちかけられるのかどきどきで落ち着かないから、父上とふたりになるのも避けてしまって。

家族内で気を許せるのは、妹といるときだけでした。

 

掃除機と、洗濯機と、両親と。

家のなかは、警戒すべき対象ばかり。

ハウスダストアレルギーなのかストレスなのかはわからないけど、実家に帰ってきてから、首や関節の皮膚が真っ赤に荒れました。

なんにもしてないのに、家のなかにいるだけですっごく疲れる。ずっと焦っているような気持ち。だから、また寝る。

 

 

 

母の言葉だけに焦らされているわけではないのです。たぶん。

ずっと、自分で自分を焦らせてる。罪悪感みたいなのがずっと、のっかってる。

 

家の掃除が始まると、掃除機の音が嫌だから、ベランダや下の階に逃げます。
…それってほんとに、音だけが原因?ちゃんと掃除を手伝うのがめんどくさいからじゃなくて?

家事の手伝いもしたいけど、お母さんがいないときにしかやれない。
…ほんとかなあ。元気なくせに、なんとなくかったるくて動かないだけじゃないの?

自動車学校の話になると、気が付かないうちに自分でぴゅーっと逃げてしまっています。話し合わないことにはどうしようもないのに。自分で自分の問題の解決を遠ざけてます。

寝てばっかりだと言われても、それは事実。何もしてないのも事実。体はどこも悪くないのに、グダグダしてます。だらしがない。

 

そうなんです。

だらしがない自分がゆるせないんです、たぶん。

もっと、パキパキお手伝いして、動いて、自動車学校のための車の練習にも行かなくちゃいけないのに。自分に甘い。

まだはっきりしない過敏のせいにして、ちゃんとできない自分がきらいなんです。

 

 

そんな1週間だったから、そのことばがすっと入ったんだと思います。

  

自分のことを大切にできるようになれば、きっと周りの人のことももっと大切にできるようになる。

自分の痛みを大事にして、他人の痛みに寄り添える人になりたい

 

それで、いろいろ思い出しました。

 

私が、そのために、ブログを書き始めたんだということも。

 

しーちゃんがしてくれた例え話も。

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そうして、しーちゃんは急にお話をしはじめました。

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まわりの友達は、○○ちゃんはしっかりと取り組んでて偉いねえといいます。

でもその子はそれを別に特別なことだとは思ってません。

だって宿題を出すことは当たり前だし、予定を立てるのはそうしないと落ち着かないからです。だから、えらいねと言われたらむしろ不思議なきもちになります。

 

さて、ある日かっぱ先生はその子が落ち込んでいることに気づきました。気になったかっぱ先生は、どうしたの、と声をかけてみました。

するとその子はいいました。


「あのね、このまえね、すっごく疲れてて、いつのまにか寝ちゃったの

最近、なぜか気持ちが落ち着かないことが多くて、自分でもわかんないけど、なんだか私、疲れてるらしいんです。お友だちにも大丈夫?て言われることが多くて。

その日はとくにもう、いつ寝たかもわからないくらい、疲れてたんです。でも、最近いろんなことが頭に浮かんで来て、あまり寝られなかったけど、その日はぐっすり、ながーく寝られたの。

でも、それで学校遅刻しちゃって、お父さんにもお母さんにもおばあちゃんにも怒られちゃった。

だから、もっとしっかりしなきゃって思ったんです。疲れてても、よくわからないことが多くても、私はちゃんとやらなきゃダメなんです」

 明らかに私を示した例え話だとわかっても、なんでそんな話をされているのか、友人が私に何を言いたいのかはわかりませんでした。

よくわかんないなーと思いながら、とりあえず何かのお話を聞いているのは好きなので、黙って聞いている。

かっぱ先生は、その子がふだん、身の回りのことに一生懸命に取り組んでることを知っています。

その子がどうして疲れているか、かっぱ先生にはわかりません。でも、いつも、はい、はい、はいとすぐに問題が解けるその子が、どうしたらいいんだろう…と悩んでるのは知っています。

かっぱ先生は、なんだか困ってしまいました。

 

かっぱ先生にわかるのは、その子がいっぱいいっぱいなんだなあということだけです。

いっぱいいっぱいの中でも、悪かった点をみなおして、反省しています。

 

うーん、そういうときもあるよ、気にしなくていいよ。

そんなことを言ったらその子は、

「私が疲れてることと、しないといけないことをするのは別の話なんです。」

と言うのをかっぱ先生は知っています。

たしかに、そのとおりかもしれません。でも…
その子が悩んで、疲れてるのも、ほんとなんです。

 

かっぱ先生は、やっぱり困ってしまいました。

 

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12月16日 ちゃんとしないって難しい - かっぱちゃんの耳

 

このへんも前にも書いたことかもしれないけど、私すぐ忘れちゃうから、改めてということで。

 

同じように悩んでいる子が目の前にいたとしたら、私はぜったいに「…それってほんとに、音だけが原因?ちゃんと掃除を手伝うのがめんどくさいからじゃなくて?」だなんて声かけないと思うのです。

冒頭のブログを書いたpyonsu先輩も、しーちゃんも、学校の先生になろうとしているクラスの友達たちも、誰も、今困っている子を責めないし、急かさないと思うのです。

 

それがたぶん、人の痛みに寄り添う人になるということ。

 

たしかに、いつかは、ちゃんとやらなくちゃいけないときが来るのかもしれないけど。

山積みになっているいろんな問題から逃げずに、向き合わなくちゃいけない日が来るんだろうけど。

でも、今苦しいなら、今じゃなくていい。

今は、休もう。

のんびりしていいし、ぐだぐだしていい。

甘くていいんだよ。自分を甘やかしてあげて。

 

そうやって、声をかけたくなるはずなんです。

 

 

たぶん、そういうことなんだと思います。

 

自分のことを大切にできるようになれば、きっと周りの人のことももっと大切にできるようになる。

 

まだまだ、むずかしい。それに、すぐ忘れちゃうけど。

周りの人のことを大切にしたいから、っていう名目で、自分のことをもう少し大切に――ちょっとは、自分に甘くできるようになれたらいいなって思います。