2月17日 発達障害についての公開講座で聞いてきたこと②:ASDと睡眠の問題
国立精神神経医療研究センターで行われた発達障害に関する公開講座に行ったら、思いがけない収穫がたくさんありましたの話ふたつめ。
先生は、同じ人。神経科学のなかでもとくに神経発達の見地から、自閉症スペクトラム症と他症状(ADHD、発達性協調運動症、睡眠関連疾患、てんかん)の併存についてです。
そのなかで、
「あのねぇ、こういう特性の強い子、まーーーー寝ないんですわ。
ASDの特性もってる方の小さい頃の話聞いても、それで親御さん困ってらっしゃったことすごく多い。
寝かしても寝ない。早寝させようったって寝ない。寝ろっつっても、本人たち寝れないんです」
という話がありました。
その他の先生の話とまとめても、ADHDの特性がある子も、ASDの特性がある子も、寝ている脳波を見てみると、そうでない子に比べて明らかにギッザギザなんだとかかんとか。
「早期診断のポイントとしては、0歳~小学校就学前、いわゆる幼児期。とくに生後2か月~2歳前後までの様子です。このときに、コミュニケーションの問題やこだわりなどよく知られているASDの症状とは別に、ぜんぜん寝ないとか、寝てもすぐ起きるとか、睡眠の問題を抱えていることが多いんです。
必ずというわけではないですが、あんまりにもお子さんが寝なかったら、発達障害を疑ってもいいかもしれません」
その話を聞いていて思い出したのが、私が夜ぜんぜん寝ない子で、親がいかに苦労したかというエピソード。親戚が集まるたびに披露される系です。
あと、大学のホケカンの先生に言われて、幼いころの記録を探していたら出てきた、保育園の年長さんのときの連絡帳。母の記述で気になるものがあって、記憶に残っていました。
ほんとうに親には感謝しています。共働きで、妹も生まれて、自分たちの睡眠時間も満足に確保できないなかで、一生懸命私の夜泣きに対応してくれて。
母親と電話していて、少し話してみました。
「実はね、ママも、かっぱがそういう天才肌だって聞いたときに(私が、発達障害があるかもと話したときのことを指しているらしい)、『もしかして、かっぱが小さい時あれだけ寝なかったのは、関係あるのかな』ってパパに言ってたんだよね」
と、言われました。当時から今に至るまで、親としてはとくに私の睡眠に異常は感じていなかったそうです。
この連絡帳の記述についても聞いてみたのですが、
「え、それ年長さんときでしょう。そのときにはもう、ずいぶん良くなってたよー。そうやって泣きわめくのも、毎日ではなかったし。
それまでもっと大変で、だんだん良くなってそこになったの」
とのこと。
わりとびっくりです。
てっきり、2歳くらいまでで一度夜泣きは治まって、年長さんのときに心理的ストレスか何かでまた夜泣き(という呼び方が正しいのかはわかりませんが、この急に夜中に起きてギャーギャーする夜)が再発したのかと思っていました。
つくづく、お母さんお父さんおばあちゃんありがとう…。
せっかくなので、いろいろ聞いたことを時系列に並べなおしてみました。
<0歳~1歳>
〇赤ちゃんの頃はとにかくとにかく神経質で、寝たかな~と思うとすぐ起きる。振動にも敏感。
〇妹はおっぱい飲ませてひっくり返しとけばすぐ寝たのに、かっぱは少しでも抱っこからおろすときに振動が与えられると途端に泣きだすので大変だった。
<2歳~3歳>
〇赤ちゃんのとき~2歳くらいまでは、夜泣きがすごく大変だった。保育園にいる間に、だんだん良くなっていった。
〇乳離れが遅かった。2歳半くらい。
〇「ぱいぱいくださーーい」「夜のお散歩!夜のおさんぽ!」エピソード。何をしても寝ない。泣いて泣いて、深夜の屋外に散歩に行ったり、車で短いドライブしたり。
・3歳(妹が生まれた頃):育児日誌『ときどき赤ちゃん返りしてしまう。哺乳瓶、おっぱいなど泣く』
〇妹が寝ているのに泣き続けるので、怒った父に防音室に閉じ込められたことも。3歳くらい?(本人注:覚えてます根にもってます)
〇泣きわめいているときは、本人もわけがわからないかんじだった。寝ぼけているのかと思い、一度起こそうとしてみたことも何度か。昼間に何か怖いことでもあったのだろうか、と思っていた。
<~6歳>
・保育園連絡帳『年長12月:家では、夜中にねぼけてるのか、わかりませんが、急に泣きわめいておこったりして30分位困らせる時があります。「早くしなさい、〇〇しなさい!」と私に何か要求してきます。』
〇↑これでもだいぶよくなったほう。毎日ではなかった。
<就学以降>
〇小学校に入ってからはよく寝ていた。寝起きも良い。朝から元気。
〇中学に入ってから、「耳鳴りがする」と言って夜中に起きたり
・(私の記憶)中学校後半~耳鳴りと金縛りに悩まされた。うとうとすると起こるから、布団に入っても寝れないし、夜中に一度起きてしまうとそれからずっと起きている。受験のストレスだったのか、高校に入ってからは落ち着いた。
「そんなの調べてどうするの、医者にでもなるの?」と言う母。
言われてみれば、今ものすごく睡眠に関して困っている、というわけではないのです。
単に、過敏の症状と睡眠が、疲れればそりゃ神経も過敏になるさということと、発達の特性そのものから関係しているのかもしれないということで、もっと知りたくなっただけなのです。
まぁ、今、困ってないわけだし…いっか。
とは思うものの。
気になることがありました。
以前、しーちゃんが私の困っていることについて聞き取りをして、ノートにまとめてくれたとき。
後からノートを見ると、ときどき私の知らない記述がありました。
”睡眠時の半覚醒?”
の文字。
どういうことなのかと聞くと、
「かっぱちゃん、夜ときどき、半分起きて、半分寝てるみたいなかんじになって、自分で一生懸命起きようとして、自分の手に噛みついてるときがある。
朝になって聞いてみても、あんまり覚えてないみたい」
と言っていました。(部活のメンバーでしょっちゅうお泊り映画会をするので私の睡眠時の症状を知っていることに不思議はないのですが…しーちゃんあなたはなんで起きてるの)
自分が知らない間に、自分が自傷行為をしているというのは、聞いてなかなかにショックなものがありました。
小さい頃からの癖で、落ち着きたいときに両手を強く握りこんだり(それで手の甲に爪の跡がついてしまったり)、よくわからなくなくて考え込むときに左手の人差し指の関節を軽くガリガリかじったりというのは知ってたけど。
寝ている間にというのは、ほんとうに、私の知らないところで勝手に私の体が悪いことをしているかんじがして、しかもそれを他の人は見ているわけで…恥ずかしいような、怖いような、たぶん両方の気もちです。
長くなりそうなので、続きはまた次回。