2月19日 「そんなの誰にでもある」の呪いと願い
お医者さんから、ADHD、ASDの傾向が強いと伝えられて以来、ときどーき覗いているあるブログ。
前にも紹介したと思うのですが、ずっと生きづらさを抱えて、大人になってからやっとADHDと診断されたという女性が書かれているブログです。
もちろん、違うところはいっぱいあるけど(私は衝動性・多動性の特性が強いのですが、どうやら筆者の方は不注意優勢型のようだし、幼少期からかなり強い生活上の不便や苦しさをもっていたそうです)、共感したり、「なるほどー!」と思う部分がたくさんあります。良い意味で、ADHDだと「開き直って」暮らせるようになった方なのです。
で。
電車の中でつらつらつらーっと読んでいて、指と頭がとまった記事。
親に限らず、周りの人にADHDの話をしたとき「そんなの誰にでもある」「言い訳するな」と言われることってありますよね。
慰めるつもりで言ってくれている場合もあるみたいなのですが、これを言われると実はすごく辛い。
身近な人でも、「そんなの誰にでもあるから心配することはない」といいます。もしかしたら身近な人だからこそ、発達障害の当事者だなんて信じられなくてそう言うのかもしれません。
「そんなの誰にでもある」「言い訳するな」って言葉を、ずっと気にしています。
母上にも、父上にも、言われました。
でも、そのときそこまで気にしていたじゃありません。「ハイハイ、母上たちはまだ理解がないからね」って、わりとそこは諦めがついてた。家族や誰かに、ぐっさり傷つくほど何度も言われたわけじゃないんです。
ほかの誰でもなくて。
自分自身で「こんなの、誰でもあることなのに」って思ってしまう。
みんなも大変だけどちゃんと我慢してることなのに、ひとりだけ言い訳するな。『ニガテなんです、できないんです』だなんて開き直る暇があったら努力すればいい。
人に直接言われたわけでも、自分が誰かに思ってるわけでもないと思うのに、ひたすらに自分が自分に言うのです。
だって、みんなもそうなんでしょう。
人が多い場所は苦手、うるさいところは苦手、そんなの普通。
みんなも嫌なのを上手いことやりながら、生活してる。私だってそうしてきたんです。我慢しながら生きてこられた。
だから、それを「私はこんなことで困ってます!なんとかならないですか!」って専門の人やお医者さん、友達に相談するのは、大げさなんじゃないかなあって。みんなも我慢してるのに、って。
ずっと、自分で自分を焦らせてる。罪悪感みたいなのがずっと、のっかってる。
家の掃除が始まると、掃除機の音が嫌だから、ベランダや下の階に逃げます。
…それってほんとに、音だけが原因?ちゃんと掃除を手伝うのがめんどくさいからじゃなくて?
ずーっとずーっと。
同じように焦って、もやもや悩んでいます。
自分で自分に呪いをかけてるんだろうと気づいたって、どうしようもないのです。
「かっぱちゃんが教師になって、クラスにそうやって悩んでる子がいたら、かっぱちゃん、そんなふうに思う?」と語りかけられても。
ときどき納得しては、またときどきぶり返します。
「私はもう、『ねぇこれできない、代わりにやって』って甘えられる子どもじゃない」って思ってしまう。
タケノコ先生の言葉も、お守りみたいにいつも思いだします。
「周りの人がどうかは関係ないんだよ。かっぱちゃんが、今困ってるかどうか、それをどうやって減らしていくかが大事なんだよ」
でも、まだ、あんまり効かない。
授業で「発達障害は『特性があるかどうか』じゃなくて『それで困ってるかどうか』」と習っても、発達検査をして結果が出ても、お医者さんにADHDの診断がつくよと言われても、やっぱり、変わりません。
やっぱり、「そんなの誰にでもあるのに、みんな我慢してるのに」って、思う。
困ってるかどうかが問題?
そんなの、みんな、満員電車の音と匂いに困ってます。昼時の学食のうるささと人の多さに困ってます。
みんな、困ってるけど、なんとかなってる。
私も今まで、なんとかなってたはずなんです。
今、たしかに通学も学校生活もしんどいけど、それはたぶん調子が悪くて過敏になってるからで。
いつまでかはわからないけれど、今をなんとか乗りきれば、いつも通りに戻るはずなんです。「そんなの誰にでもあるから心配ない」状態に、戻るはずなんです。
だって、それが、ASDの特性からきてるんなら…実際、そこからきてるんでしょうってお医者さんはいってるけど…
ずっとずっと続くってことじゃないですか。
私、ほんとに、ASDの特性を強くもってるってことじゃないですか。
お医者さんに、「ADHDと自閉症スペクトラムの傾向があります」と言われたのが、約一か月前。
お医者さんや、タケノコ先生から言われた情報を、客観的にまとめたり、冷静に家族に伝えたりはしたけれど。
そういえば、ちゃんと時間をかけて自分の気もちを整理していなかったなって思い出しました。
私、それなりに、びっくりしたんです。
ADHDはずっと「私この特性けっこう強いな」って思ってたから特に驚きもしなかったんですけど。
それまでしーちゃんから「かっぱちゃん、ちょっとASDもあるんじゃない?」って言われてても、「いやいやしーちゃんは特別支援の知識がありすぎて、大げさにそう見えちゃうだけでしょ」って笑ってた。自分は違うと思ってた。
それで、たぶん、今も。
私は、自閉症スペクトラムなんて、もってない。
高校まではクラスの友達たちと上手くやれなかったのも、音や光や触覚に刺激が多いとつらいことも、そんなの、誰にでもあることだって。
なんだかんだ私はまだ、受け入れられてないんだと思います。