11月26日 聴覚過敏いろいろ+耳栓あるある
障がい学生支援室のインコ先生の紹介で、私と同じく聴覚過敏をもつ大学生のきつねさんという方と知り合いました。
支援室に隣接する面談室で、インコ先生もまじえて1時間ほどお話ししました。
(水彩色鉛筆の色が綺麗に撮れないので不満…)
きつねさん本人の許可をもらっていないので詳しくは書けないのですが、私とはまったく別のタイプの聴覚過敏でした。
音に対して敏感すぎるのは同じでも、私が音の「高さ」「大きさ」によって苦手さが決まるのに対し、きつねさんは音の「質感」とか「音源」が問題なようでした。
静かなカフェよりも、騒がしい学食のほうが好きなのだそうで、そこに関しては私と正反対。
きつねさんタイプだと単に音量を小さくすれば楽になるわけではないので、イヤーマフや耳栓だと効果が出づらいのだそうです。
事前にインコ先生から「かっぱちゃんと同じく、聴覚過敏で困ってる女の子がいるのよ~」と聞いていたので、当たり前のように私と同じような困り方だと思っていたけれど、ここまで違うとはびっくりです。
たしかに、今まで出会った聴覚過敏の子どもたちのなかにも、「水の流れる音が苦手」とか「音量ではなく響き方が苦手」とかいろんなタイプがいました。私が耳の穴を抑えているような場面でもけろっとしているのに、違う場面ではイヤーマフをつけてじっと固まっている子とか。
授業で学んだ知識や、特別支援学級ボランティアでの経験はすごく役に立ちます。でもまだ、どこか自分とは切り離した「他人事」として捉えてしまうところがあります。外から入れた情報が、うまく自分のこととしてつながらないというか、対応させて考えるのに慣れていません。
それはそれとして。
耳栓あるあるが共有できる人と、初めて出会うことができました。
きつねさんと喋った、耳栓の困るところ3つ
1.自分の声や食べる音などが頭のなかに響いてうるさい。
両手で耳を塞いだまま、「あー」と声を出してもらえれば、すぐにわかると思います。
骨に自分の声が響きます。とっても不快。
今はもう慣れてしまって平気だけど、去年ぐらいまでは、耳栓をつけているときはほとんどしゃべらないようにしていました。となると、コミュニケーションがとりづらくてとっても困ります。親しい友達には、口パクやごくごく簡単な手話で意思を伝えたりしていました。
耳栓をしたままごはんを食べるのは、今でも苦手です。食事をするときには耳栓を外すことにしているので、騒がしいファミリーレストランには長く滞在できません。
2.普段は聞こえないような音(誰かが机を蹴った振動など)が伝わってくる。
気導の音が軽減されるかわりに、骨導の音は強調されてしまうのも耳栓の特徴です。
机にペンをカツカツやる癖のある人の隣は勘弁してほしいし、ギィギィ椅子や机が引きずられている近くは地獄。
3.耳栓をしたまま先生の話を聞いている=耳を澄ませている状態をしばらく続けてしまうと、耳栓を外したときに余計に音が大きく聞こえてしまうので、外すタイミングに困る。
聴覚過敏がどんどん悪化する原因として、よく挙げられているものです。こればかりは、イヤーマフだとさらに重くなります。
そうするつもりはなくても、耳栓をつけていると勝手に耳が最高感度になってしまうのです。この状態で耳栓を外すと、薄暗い場所にしばらく居てから急に直射日光の下に出たとき視界が緑色になるように、耳がぎんぎんおかしな具合になってしまいます。
そんなわけで、違いは多々あれど、似た悩みをもつ方と知り合えてとってもよかったです。
自分の困りごとについてだれかと話すとき、もちろんその困りごとをもっていない人に話を聞いてもらうだけでもすごく心が軽くなります。だけど、同じ困りごとを実際にもっている人と共感しあえるって、こんなに元気がでることなんだなあと思いました。
インコ先生、きつねさん、ありがとうございました。
またお話ししたいです。