かっぱちゃんの耳

感覚過敏やらADHDの診断をもらった大学生が、特別支援学級の先生になりました。

1月26日 すごく困ったとき用セット

こんなものを作りました。

 

 

すごく困ったとき用セット

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言い換えれば、「いつどこでパニックになっても、大丈夫なようにセット」

 

こんなものを、作ることに、なってしまいました。

 

その経緯については、またじっくりまとめるとして。

期末テスト勉強と最終レポートが溜まる休日なのに何時間も使って、デザインに凝りました。

作るからには、ちゃんと持っていたくなるように、人に見られても嫌な気持ちにならないようにと思って、全力で可愛くしようと思ったんです。

 

ということで、ちゃんと人に見せびらかしたくなるぐらい、私好みにできました。

 

中身

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  • 薬(気もちを落ち着けて過敏を押さえるやつ)
  • (1)見る用ノート =困ったときに自分が見るため+人に見せるための情報がいろいろ書かれたノート
  • (2)書く用ノート =筆談、メモのためのまっさらなノート
  • ペン

 

 (1)見る用ノート

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一方から開けると、自分がパニックになりかけているときに見るためのページ。反対側から開けると、いざパニックになって言葉が上手く出てこなくなったときに、人に見せるためのページが始まるようになっています。

別々のノートに分けたほうがわかりやすいかと迷いましたが、あたふたしてくると持っているものを探したり落としたりバタバタ余計に焦るなあと思い、できるだけ手に持つモノを減らすという意味で1冊にまとめることにしました。

 

自分が見るためのページ

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今までも手帳にあった、家への帰り方と、駅での助けの呼び方のページを、こちらにも作っておくことにしました。

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数か月前、学校から家へ帰る途中の駅で、ホームから階段を上って急に騒がしい改札付近に出た瞬間、周りの文字と音が頭にいっぺんに刺さって、溺れているように苦しくなりました。

なんとか近くのベンチに座ったはいいけれど、帰り道がわからない。電光掲示板に現れる電車の行先の文字は読めるけど、その地名は自分の家の住所じゃないから、その電車に乗っていいのかわからない。音がうるさいし、カラフルな人の足がたくさん目の前を通り過ぎていくから目もうるさいし、でもどこに行けば静かになるのかわからないから動けないし。

どういうふうにしたのかはよく覚えていないのですが、友人が1時間近くかけて迎えに来てくれて、家まで送り届けてくれました(父は実家にいて不在でした)。

 

それ以来、できるだけ駅でパニックを起こさないように、起きてもちゃんと自分で帰ったり、休む場所を探したりできるように、いくつか対策することにしたのです。

各駅の発車メロディーに、乗る路線名と降りる駅を歌詞としてつけて、歌いながら帰ったり。「困ったら、とりあえず手帳を見る」が癖になっているので、開くと出てくるページに帰り方と助けの呼び方のメモを貼っておいたり。

 

この手帳にメモ作戦はなかなか効果がありました。

なので、他の必要な情報も一緒にこちらのノートにもまとめて、今後は「困ったら、とりあえずリンゴのノートを見る」も、癖にしていきたいと思います。

 

 

ほかの場面用のページも作りました。

 

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今回のように(後日記事をアップロードしたらリンクを貼ります)、学校の中でパニックになってしまった場合、どうすればいいのかを書きました。

今のところは、どんなに頭が固まっていても、文字で流れを示してあれば、そのとおりに動けます。

 

「どうしよう、どうしよう」って動こうとして体は動けないとき、

  • 今、何をすればいいのか
  • 次に、何をすればいいのか

    がわかると、とても安心します。
    細かくて具体的にわかると助かる。文字や絵だともっと助かる。

 

逆に、「ここで、ちょっと休んでなー」と言われると、「休むって、何をすればいいんだっけ」って焦って、ゴソゴソ動き出してしまいます。なんとなく動かないといけない気持ちになってくるんです。

だから、いつもみたいに、自分でやることリストを作れるように。

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自分で左側に付箋を並べて、やることがわかるようにしました。終わったら、右側のストックに戻す。あ、このセットに付箋も入れとかなきゃ。

 

「休む」って、むずかしいです。よくわかんないです。

「今は、じっとする」「寝る」って言われればわかるけど、できるかは別です。落ち着かないから、じっとしていられないんだし、過呼吸か薬で眠くなるんじゃなければ、眠くなんてならないし…って思ってしまいます。

 

そのかわり、自分で、何をすれば自分が落ち着くのかは、この21年の人間生活でだいぶわかってきました。

  • やること表を作る
  • 折りナプキン(折り紙の、カフェや食堂にあるナプキンでやる版)でハコを折る
  • 自分の手首に指をあてて脈をはかる
  • 絵日記をかく
  • 学校のレポートを進める
  • コートの毛玉をとる   …などなど

付箋には、そういうのをたくさん書いてあります。

ひとつひとつを「やること」として順番にこなしていけば、それがたぶん、人の言う「休む」をしていることになるんだと思います。

 

そのほか、自分が見る用のページには、連絡先一覧や、探し物(パニックになるとなぜか急に探したくなるもの、ハンカチとか筆箱とかファイルとか)のありか一覧、学校の中のおちつける場所の候補一覧などを書く予定です。

 

 

人に見せるためのページ

自分で対処しきれず、上手く言葉が出てこないほどパニックになってしまったときに、近くの人に見せて助けてもらうために、作ることになりました。 

場面ごと、状況ごと(自分で動ける/動けない)に、しーちゃんが一緒に文面を考えてくれました。f:id:yukana777:20190127204910j:plain

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(2)書く用ノート

筆談、メモのための白紙ノートです。

これまで私がいつも持っている落書き帳を筆談に使っていましたが、自分のお気に入りのマンガ日記のなかに、パニックになっているときのミミズのような文字が並んだページが紛れているのは、なんだかあんまり楽しくないのです。

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基本的にまっさらだけど、唯一の例外が最初の「定型文ぺたぺたストック」のページ。

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質問したいけどうまく言葉が出てこないこと、伝えたいけどなんて言えばいいのかわからないことの定型文集。

指さしで伝えたり、ぺろっとはがして別の白紙ページに貼って、相手の人に答えを書いてもらったりできればなと思います。

 

 

 

作った。

作ったけど…