かっぱちゃんの耳

感覚過敏やらADHDの診断をもらった大学生が、特別支援学級の先生になりました。

3月7日 自分の声と友達と

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電話でも、家でも、かぞくに声うるさい、「き」とか「し」とか言い方変と言われます。

 

声うるさいの、ほんとだと思います。

うさちゃんや、他の友達と話してても、「もうちょっとだけ声抑えて」ってそっと指摘されるときがあります。

どこまでもストレートに思ったこと言ってくれる家族にも、優しい友達にも言われるなら、きっと本当のことだと思うのです。自分でも、ときどき、「あ、いま、私の声だけ響いちゃった。たぶん、よくない」って思うときあるし。

電話も、相手の声がよく聞こえないと、無意識に自分の声を大きくしてしまうみたいなのです。それでよく「夜にそんな大声で電話するな!」とも怒られます。

 

自分じゃ、わかんない。

「周りの音や声には『うるさい』って敏感なのに、自分の声は平気なの?」って、素直に質問されたり、皮肉交じりに聞かれたりするときは、
「ねー、うるさいよね、自分でもそう思うわ、ごめんねー」って答えるけど。

ごめんなさい。ほんとは、そう思ってない、わかってないです。わかんないんです。

耳栓をしていて声が骨に響いてしまうときを除けば、自分の声がうるさいと感じたことはほとんどない。

知らないうちに、周りにはうるさい音量になっていたときも、指摘されてもなお、自分んの声が他の音みたいに「うるさい」とか「頭にぎんぎん響く」とか思わない。

 

いろんな音を区別するのが苦手だから、自分の声をはっきり聞くために音量を上げてしまうのかもしれません。

もしくは耳栓を長時間つけすぎて、骨導で伝わる声に鈍感になってしまったのかもしれません。(耳栓をつけると、自分の足音もちょっとした声もひどく骨から響いて、もう一言も話せないくらいになります。しかし、それでも周りと会話しなければならない場面は多くあります。最近はもう、だんだん耳栓をしながら自分の声に我慢して喋ることに慣れてきたように感じます。)

 

それらしい「しかたない理由」は、いくつでも挙げられます。特性のせいにもできます。そしてそのなかに、事実もあると思います。

しかし、「ちゃんと気をつけていないからだ」という家族の指摘もまた、事実なのだと思うのです。

 

声うるさいのがほんとうだから、「き」とか「し」の発音が変なのもほんとうなのかもしれないです。

友達やバイトやサークルで出会う子どもたち(私にとって正直さの象徴)に言われたことはないけれど。家族は私のことをいちばん長くよく知ってるわけだし。

 

 

聞こえ方も見え方もへんなのに、しゃべり方までへんなのはどうしよう。

 

聞こえ方と見え方が調子悪いときは自分がわかるし、自分が困るだけだから、まだいいのです。

しゃべり方や声の大きさは、自分じゃなかなかわからないし、それで周りに迷惑をかけたり恥ずかしい思いをさせたりしてしまいます。それはいやです。

 

幼い頃から今に至るまで、身の回りのことなどで両親から注意されるとき、

「そんな目立とうとしてばかりで、かっぱ、クラスの子から嫌われちゃわない?」

「だらしがない奴は、友達が離れてくぞ」

と、よく言われてきました。

ちょっとやそっと指摘(私にとっては父のは怒鳴り声ですが)した程度では、「はいはーい」と私が聞き流してしまうなかで、こうしたフレーズを使ったときはよく”効いた”のかもしれません。それで、「こういえば、かっぱもすぐに悪い癖を直す」というような、魔法の一言のように使われてきたような気がします。

 

多くの人は、おなじ思いをもっていると思うのです。

周りの人が離れていくのは、こわい。きらわれたくない。

だから、友達に嫌なことをしたくないし、一緒にいて恥ずかしいと思われたくない。

 

でも、なかなか、むずかしいです。

小中学校の頃はとくに、どういうわけか、友達はすぐにできては、すぐに減ります。とくに女の子の友達は。「なんだか最近あの子に、嫌われちゃったみたい」と気づいたときにはたいていが手遅れでした。

そんな経験値ばかり稼いできたから、「クラスメイト」や「友達」という語を人質みたいにした叱り文句が、よく効くのかもしれません。

 

 

自分の声の大きさなんて、よくわかんない。歌うときの音程ならちゃんと当てられるのに。

上手な「き」と「し」の発音も、よくわかんない。英語の発音は綺麗だと褒められるのに、母語の日常会話で家族に笑われる。

 

直したいんです。

大好きな友達たちに「かっぱちゃんがいちばんうるさい」「一緒に居て恥ずかしい」なんて思われたくないから。

すごくすごく直したいけど、やっぱり、わかんない。

自分の声が自分でわかんないから、上手に直せないんです。