3月5日 色眼鏡がやってきた
家に帰って、父上にただいまを言って、コートを脱いで、いつもどおり机に座って、ライトをつけて、手帳をひらいて。
はて、と思いました。
「父上ー、蛍光灯、暗くない?もう切れちゃいそう」
そう言いかけて、思い出しました。
そうだ、新しい眼鏡してるんだった。
下のが、新しい眼鏡。
黄ばんでるのではありません。
夜間の車のヘッドライトだけでなく、日光や室内の照明の眩しさも軽減する、ブルーライトカットとUVカットが入ってるのだそうです。
「スクリーンヘビー」と保証書に書いてあるけど、意味はよくわからない。
両親に私が光や音をどんなふうに感じているか伝えたとき、父上から
「主に夜の運転用に、路面の光の反射や車のヘッドライトを見やすくしてくれるレンズがあるから、探してみなさい」
と聞きまして。
それから時々探していたのですが、先週ようやくしっくりくるものを見つけることができ、今日受け取ってきました。
(中略)
歩行者用信号機に限らず、夜の信号機の光は、ごちゃごちゃした他の看板や街灯の光といっしょくたになります。スーパーのチラシみたいなチカチカ騒がしいかんじです。それで、必要な情報(=信号機の光)を見つけるのに時間がかかってしまいます。
(画像はレーシック手術の後遺症について説明するサイトから借りました。ここまで酷く光が強く拡散して見えるわけではないのですが、見え方自体はすごく近くて、ほかに良い画像が見つからなかったので…。)
強い光は、痛いです。
昼間の屋外や夕日など単純な眩しさには強い方だと思うのですが、人工的な光やコントラストにちょっと弱いみたい。実家で勝手にテレビの明るさ設定を変更しては、「変えたら戻せ!」と怒られてます。
眼鏡屋さんから説明を受けたとおり、ここで説明した見え方①も②についても、部屋の蛍光灯の眩しさについても、かなり効果がありました。
わかりづらいかもしれませんが、上がスマホカメラの前にレンズをかざして撮った写真。度が強いので少し歪んでいますが、若干色が黄色っぽく、弱く見えることが伝わればと思います。
今日のバイトの往復で、新しい眼鏡をつけたり、外したり、度数は同じ元の眼鏡をつけたり、いろいろ試してみました。
夜道では、街灯の明かりや車のヘッドライトの光源から、こんなふうにイガイガと線が飛び出して見えます(それはいわゆる一般的な感覚の人もみんなそうだと思うのだけど、どれくらいまでが普通なのかはよくわからないのでそれは置いときます)。
それがぎしぎしぎんぎん光が突き刺さって痛いのに、視界に入るとなぜかその方向に目が吸い寄せられて、見てしまいます。だから、ついつい夜道は足元ばかり見て歩くことになって、余計に壁や植木に肩がぶつかったり、信号を見落としたりしていました。
※フリー画像
イガイガはこの写真よりももっと長く、ひとつひとつの光が巨大ウニのように広がってくっつきます。あんまりいい写真が見つからなかったけど。
新しい眼鏡を通すと、そのトゲトゲ星が一回り小さくなります。
こんなふうに、潰れてくっついていた強い光がしぼんで、光源の形が少しはっきり見えるようになります。ここまで大きな変化ではないけれど、しぼみかたはまさにこんなかんじです。
あと、眼鏡屋さん曰く、「視界が少し、夕焼け色になります」。
でもその字面どおり、たしかにそれぞれのライトがなんだかロマンチックささえ感じる、温かい色合いになるのです。個人的には、夕焼けというにはかなり黄色みが強くて、お祭りの並んだ屋台の白熱灯の色だと思いました。
レンズに多少色がついているので、クレヨンしんちゃんの園長先生のような怪しい雰囲気にならないか心配したのですが。
変化に敏感な家庭教師先の子、数か月前まで私が眼鏡をしていくと「誰?」という顔で少し怯えていたのですが、今日はとくになにも言われませんでした。なら、大丈夫だと思います。自分で思っていたよりは、目立たないのかもしれません。
元の眼鏡やコンタクトと度が変わらないので、比較的すぐに慣れました。
今後、とくにまぶしく過敏が出ている日や夜道を長く歩く日など、積極的に使っていこうと思います。