12月8日 留学中の困ってたらしきことメモ
「もともと聴覚過敏なんだよね。留学中は、症状とかどうしてたの?」
昨日の相談の場で、先生にそう聞かれました。
「自分としては、そんなに困っていなかったと思います…スウェーデンの田舎で、東京よりもずっと静かだったし…」
と自信なく答えました。
実際、今まで、音や多すぎる情報でパニックになりかけているという状態を自覚できなかったので、よくわからないのです。困って困って生活がしんどい、ということはなかったと思います。どちらかというとそれは日本に戻ってきてからなので。
と思っていたら、付き添いで来てくれていた友人が
「いや、かっぱちゃん、けっこう困ってたと思うよ。パーティーとか、除雪車とか。うるさくて頭がガンガンするとか、胸がドキドキして夜寝れないとか、よく電話してきてたじゃん」と。
「あー、除雪車…」
ああ、ありがたいけど忌まわしき除雪車。
家の前に道路があって、冬場はそこを毎朝毎晩昼間も、除雪車と、滑り止めの砂利をまく車が通っていました。それがまた、ものすごい轟音と振動を伴っているのです。
彼らがいないと雪と氷で通学もできないので、ほんとうにありがたいのですけど…あのゴゴゴゴゴという地鳴りが聞こえてくるたびに、私は居ても立っても居られなくなって、布団をかぶったものでした。
「電話越しに聞いてて、だいぶバタバタしてるかんじはありましたよ」
という友人。
いやはや、迷惑ってかけた側のほうが覚えていないもんなのだな…とつくづく思いました。ほんとごめんなさい。いつもありがとうございました。
そんなわけで、自分の留学中の様子をちゃんと振り返ろうと思いました。
ほぼ毎日つけていたブログが、こんなところでも役立つとは。
いちばん最初にでてきたのは、出発の1か月半前、聴覚過敏と診断されたときの記事でした。
最近、聴覚過敏になってしまいました。
全体的に様々な音が大きく頭に響いて聞こえることと、騒音をシャットアウトする機能がおかしくなってしまったように思います。
ファミレスなんかにいくと、こんなかんじ。周りの話し声、食器の音、空調の音、ぜんぶ拾ってしまって集中できません。
それがまとめて大音量に感じて、とても不安で落ち着かなくなります。
もともと大きめの音や騒音は苦手で、映画館では耳栓をしていたんですけど。
先月あたりから急に悪化し、最近は駅のホーム、幹線道路沿い、大教室や学食などでの騒音が耐えられません。
つけすぎは良くないと知っていても、耳栓はお友達。
さすがにおかしいと耳鼻科に行ったところ、
「何か不安に思ってることとかあるんでしょうねー」
と精神を安定させる系の薬を出されました。
「いやむしろ、そっち系の薬をもらったって事実の方がショックだわ!不安煽られるわ!」と思いました
~中略~
まあそれでも、どうやら緊張やストレスがかかったときに過敏がひどくなるみたいだぞ、というのは最近学習してきました。疲れると細かいことでイライラしやすくなるのと似てるのかもしれません。
で。
できるだけ、その原因をひとつずつ解決してきたつもりなんです。
なのに、一向に良くなりません。心なしか、悪化してきたようにさえ感じられます。
聴覚過敏に「なった」と思っていました。
さいきん、耳がおかしくなってしまった。今まではそんなものぜんぜんなかったのに。精神の薬なんていらない。出されたくない。絶対そのうち治るんだもの、ほんと、今までそんなことなかったんだもの。
そう思っていました。
小さい頃から大きい音が苦手という意識はあったけれど、それが過敏などと病名のように大げさな名前がつくほどではないと思っていました。
飛行機、苦手な重低音ブルブルでパニックになるんじゃないかと内心すごく心配していたのですが、わりと大丈夫でした。
いやはや、聴覚過敏ほんと治ってよかったです。
だから、渡航1週間前になってようやく症状の波が落ち着いたときに、治ったのだと思いました。
あと、この記事を読み直していてちょっと驚いたのは、「パニックになる」という言葉が出てきたこと。大きなパニックを起こすようになったのは(そしてそれに自分が気づくようになったのは)、帰国した今夏以降だと思っていました。
この昨年夏の時点で、「自分は音でパニックを起こすことがある」と把握していた覚えはなかったので、発見です。それとも、平静を失うとか、焦るっていう意味で軽く「パニック」という単語を用いたのかな。
1年前のことなのに、詳しく覚えていないのが悔しいです。
気を取り直して、夜は親睦パーティーがあるとのこと。
クラブで行うとのことでしたが、大学のオリエンテーション内で説明された公認のものなので大丈夫だろうと向かいました。
~中略~
クロークに上着を預けた時点で、嫌な予感はしていたんです。大音量の音楽、体の芯に響く重低音。
聴覚過敏はたぶん治ったんですけど、未だに私が最も苦手とする環境です。
心拍数、本日最大のパニック3つめ。もはやプチじゃない。
クラブってこういうものだよね、存じております。
今後の飲食系のイベントも、こうして大学内のパブや公認クラブで行われるものばかりなので、早く慣れてみんなでワイワイ楽しめるようになりたいのです。
いやー、ダメでしたー。
日暮れ(夜8時半)の静かな街を40分歩いて帰っても、ずっと胸はどくどく、頭はざわざわ。
帰宅して友人に電話をして、ようやく落ち着きました。
5分粘ってみた + クロークが混んでてすぐ出れなかった のが原因でしょうか。
今後は気をつけようと思います。
音楽大国スウェーデンでは、大小かかわらず何かと催し物は、ずんちゃかずんちゃかクラブミュージックが流れていました。
私はこの日に懲りて、大学の留学生向けイベントでも、劇団の打ち上げでも、夜のパーティーはほとんど欠席するようになりました。
ちなみに、記事に「プチパニック」「パニック」という単語が何度か登場しますが、ここでは「すごく焦って胸がドキドキした」ぐらいの意味合いで使っています。苦しくて座らずにはいられなかったり、耳から入る言葉が理解できなくなったりするような最近のパニックとは遠く及ばない程度のものです。
とはいえ、この抜粋した3つめの”パニック”は、わりと最近の重いパニックのなりかけ状態だったのかなとは思います。
この日は、ここはダメだと慌ててクラブを出たあとも、怖くて息苦しいのがずっと続いていたのをよく覚えています。すごくすごく友達に電話したかったけれど、そんなことで連絡しては迷惑だろうかと踏ん切りがつかなくて。そもそもWifiがないところでは通信できないスマホだったし。
いやー、この異国生活3日目で、パニックで帰り道がわからなくなるというようなことが起きなくて、ほんとうに良かったと思います…。
飛行機がどうにも嫌です。
乗っている最中はずっとエンジンと空調の音が神経を紙やすりにかけているみたいだし、ぐらぐら揺れるのも内臓がむわっと浮く感覚も気持ち悪いし、狭くて窮屈で思うような姿勢がとれないし、何より発着陸のときの轟音が苦手です。
留学生活も半年を迎えた頃
ストレスそこそこ
今月あたりから、真上の部屋がずっと騒がしいです。新しく引っ越してきたんでしょうか。
毎晩深夜3時近くまで大声が響いてくるので、このところ寝不足です。あと昼間も昼間でうるさいから、わりかしストレス。
大学のハウジングオフィスにはメールしたけれど・・・早いとこ解決されるといいなと思います。
べつに耳が敏感な人に限った話ではないだろうけど、寮での騒音に困っていました。たしか数か月続いたと思います。
ブログにはとくに出てこないけれど、冒頭で書いたように、この季節は除雪車や砂利まき車の音でもけっこうやられていました。
ところで、最近、土日が好きではありません。
原因は、金曜・土曜のぱーりない。
うちの寮でも例外なくホームパーティーやら宅飲みが行われており、遅くまで音楽や大勢の人の笑い声が響いてきます。
私はこの手の集まりが苦手なので基本的に夜は家にいるのですが、眠るどころか落ち着かなくて。そのせいで、土日は睡眠不足でなんだかげんなりしているのです。
下手すると、今週は昼間でさえもドタバタうるさいハズレ週でした。
落ち着かないので、平日のぶんの思ったことメモを書こうと思いました。
大きい音のなかで、響くような低い音がとくに苦手です。
なので、壁越しの男性集団の笑い声(くぐもって言葉に聞こえないので)や、上の階からの音楽のベース音がしんどかったです。
春になって、待ち望んだ小学校での教育実習が始まりました。
4時間目:算数 授業の途中から、何やら久々に聴覚過敏がひどくなってきたので、5時間目に出ずに帰ることにしました。
今週はほんとうに忙しかったし、とくにストレス溜まっている自覚はあったなあ。
と考えながら、ぽかぽか陽気のウメオの街を散歩しました。いやぁしんどかった。
これも覚えてます。
とくに騒がしいというわけでもない算数の授業中、急に周りのパソコンの音や先生の説明の声が耳元にせまって聞こえはじめました。
「聴覚過敏」とか「うるさい」とかでサイト内検索をかけた結果はこれぐらい。
渡航してからは、できるだけ弱音や愚痴は書かないようにしていたブログです。数は少ないですが、「できるだけ書かない」と決めていても書かずにはいられないぐらい困っていたのかなあ。
自分の書いた文章を読みはじめると、「そうなんだよ、このときさ…」とそのときの写真や映像がぶわわわわーっと溢れてきます。その一方で、それらをまとめているときは「あー大変だったのねーこの人」とどこか他人事のようにも感じたり。
実は、留学中のブログをちゃんと読むのは、帰国後これが初だったりします。
もう戻れない自分の部屋、スウェーデンの生活が恋しくて寂しくなるんじゃないかなって思って、なんとなく見れなかったのです。「あ、まだこんなに見てくれてる人が!役に立ってる!」と自己満足するためだけに、アクセス数をチェックするぐらい。スマホのアルバムも開けなくて。
だって、ふとしたきっかけにウメオにいた日々のことを思い返すと、やはり切なさに胸をかきむしられるのです。かきむしるという表現がほんとうにしっくりくるぐらい、悲しくてぎゅううううっとが痛くなる。不思議なことにこれが「スウェーデンに帰りたい」じゃなくて、「日本に帰りたい」なんです。いま日本にいるんだけどな。
そんなわけで、これまでの症状をまとめるための振り返りをしてみて、楽しかった毎日のことを思い出してみて。
いま、さびしいきもち。
でも、しあわせな気分です。