12月17日 よくわかんない薬をもらった
こないだの、大学の施設にいる専門のお医者さんのところに行ってきました。精神医学の准教授らしい。
今回、つきそいの人と、プラス大学の支援室の先生も一緒に来てくださいました。…総勢4人。なんだか大がかりな面談なかんじ。
そんなにたいそうなことなのかなあ、私そんなに大げさに診断されるほどものすごく困ってるわけじゃないのにな、って、やっぱり後ろめたい気持ちになってしまいます。ぞわぞわどきどきします。
こないだと違う部屋で、さらにぞわぞわ。「診察室」って名前もおっかないし。きつい緑色のカーテンの向こうに、ちらっとベッドが見えるのもおっかない。
前回来たあと過呼吸を起こしてしまった(12月15日 過呼吸洗濯機)とちらっと話したら、何やら薬を出されました。
だけど、また途中から、お医者さんの言っていることがぜんぜん入らなくなってきてしまいました。(12月14日 言葉が変換できなくなるときの頭の中メモ)
先生の説明になんとかついていって、コクコク頷くことで精いっぱい。話をしたかったもやもやとか、相談ごとはほとんど言いだす余裕のないままでした。
忙しい先生がせっかく時間を作ってくださったのに、ちゃんと伝えられなくてとても申し訳ないです。
一生懸命、集中して聞いているつもりなのです。
でも、どうしたって途中から、先生のお話が、流しそうめんみたいに聞こえてきます。
つるつるさらさら水と一緒に流れてく流しそうめん。
がんばってとらえようとしてるんですけどつるつるぬけていってしまいます。数本やっとお箸に引っかかって食べてる間に、目の前を次から次へどんどん流れていく。
たくさん通り過ぎていったけど、自分の手元に残ったのは一束分もありません…という気持ち。
「これはねー、今うちにすうしゅるいしかないんですけどー…―――――…ふあんをおさえるクスリなんですけどー…―――――…でんしゃのるのふあんだなっていう朝とかー…―――――…人によってはにじょうさんじょうでー…―――――…」
せめて、副作用とか、薬の名前とかは聞き漏らさないようにとがんばったのですが、わかんなかった。(後から付き添いの人に聞いたらそもそも言及してなかったみたいです)
薬
なんとか理解した数少ない情報を、診察の後で一緒に来ていた人を質問攻めにして補足すると、
- 過呼吸のもととなるような、不安・パニック症状を防ぐ薬
- 頓服の薬
- 30分ぐらいで効きはじめて、効果は6~7時間続く
- 「音がしんどくて胸がドキドキする」「今日は調子悪くて電車に乗るのが不安」というときに飲む
- まずは1錠から。効きが弱いなら2錠、3錠と増やしてもいい。
- 最大で1日15個まで。
- 眠くなるかもしれないので、多めに飲んだら車の運転はしないこと。
ということみたいです。
市販の風邪薬が効きすぎちゃうんですけど、これは大丈夫ですかね、とか。
一緒に飲む飲み物とか時間帯によって効きすぎたり効かなかったりとかありますか、とか。
飲みすぎて耐性がついちゃったり依存になったりする可能性はありますか、とか。
不安を抑えるって、具体的にはどういう作用で効くんですか、とか。
聞きたいこと、いっぱいあったのにな。
支援室の先生も薬に関する相談に乗ってくれるとのことなので、聞きにいってみようと思います。
効きめ
お医者さんのお話が終わって建物を出たあとも、厳重警戒スイッチがONのまま。
ただの車両止めの柵や、エアコンの室外機にそわそわしてしまいます。
ほんとうに、なんてことないとわかっているんだけど、勝手に神経が身構えてしまって、また勝手に頭は変なイメージばかりもごもご広げる。
「そういうとき」モードです。(12月12日 「想像が膨らんで気持ちわるい」ということ)
なので、さっそく薬を飲みました。…そもそも水と飲むのか、そのままかみ砕くのかも聞いてなかった…。
直後の、二時間目の授業。
途中から、猛烈な眠気におそわれました。
ここ暖房あったかいしな、さっきの緊張がとれたのかな、とは思いつつも、昨日は11時間も寝たのに…と腑に落ちない。
気がついたら、授業が終わっていました。
夜の睡眠時間命の私。大学に入ってから、居眠りなんて数えるほどしかしたことがありません。どうしても前日の睡眠が4、5時間だったとか、そういう年に数回のレアイベントのときだけです。
さすがに、薬の作用なのかなと思いました。
一方で、ちゃんと効能もあったようです。
昼休み。
学生ラウンジで昼ごはんを食べました。ふだん調子がよくないときは、周りの音が気になってのんびり食べられない場所なのに、今日は食事をしながら友達と会話まで楽しめました。
次の授業の教室に行ってからも、大教室での休み時間の喧騒で、息が苦しくならない。
いつも通り、大きく聞こえることは、聞こえるのです。
でも、それが私の体を素通りしていくかんじがします。眠くてぼーっとしているのもあるけど。
頭がボウルじゃなくて、ザルになったようなかんじ。
耳から入る人の声、空調の音、椅子の動く音が、普段はどんどん頭の中に積み重なって重く苦しくなっていくのに、今日はそれが入ってきても溜まらずに通り抜けていくのです。
すごいな薬、と思いました。
ただ、3時間目の授業が始まると、少し様子が変わりました。
先生の話を聞くには、ザルから零れ落ちる前に、先生の声を拾わないといけません。
普段も先生の声を拾わないといけないのですが、それは新聞紙の山から必要な1冊だけ取り出すような作業なのです。なんていうか、違うのです。
そうこうしているうちに、またなんだか、へんなかんじになってきてしまいました。
「で、ぜんかいのレポートでも出したように…―――――…じりつかつどうにおける…―――――…ちょうふくの場合は…―――――…」
耳がゴーゴーするわけじゃない。胸もどきどきしない。息もちゃんとできる。
だけど、ただただ、よくわかんない。
わかんない。先生の言ってることも、私は今ペンを持ってノートに向かってるけど何を書いていたのかも、今からどうすればいいのかもわかんない。わかんない、わかんない。
とにかくどうしようもなくなって、
「あ、レポート印刷し忘れてたから、いってくる」
と隣席の友人に告げ、教室を出ました。
今さかのぼって考えても、それがひどい眠気によるものだったのか(事実、寝起きの妹や母はいつもこんなかんじだし)、ことばがわからなくなるパニックの前兆だったのかはっきりしません。んーすぐ話せたし前者なのかなあ。
冷たい廊下をうろうろ、印刷機のある場所まで遠回りしてうろうろ、やっとこさ印刷してまたうろうろ。
15分ほど歩いて、落ち着いてきました。
で…落ち着いたかと思えば、また眠くてどうしようもなくて、居眠りしてしまった…。反省。
でも今回は10分くらいで起きて、その後は活発に授業に参加できました。
そのあとの空きコマでも、図書館でがっつり昼寝してしまったし。
さすがにここまで来れば、薬のせいなのかなあと思います。要相談です。
脱走許可
今日の朝の面談でよかったことがひとつ。
それは、お医者さんじゃなくて支援室の先生が、
「授業中しんどいとき、教室から出るのはいけないことじゃないんだよ。自分で対処できたってことなんだから、えらいんだよ」
と教えてくれたこと。
それについてまたいっぱい書きたいのですが、眠いので寝ます。